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思うツボ 2.「脳にあるツボ」

使い方によって様々な治療効果を引き出せるツボですが、その謎を解き明かすために、いろいろな研究が行われてきました。しかし、未だにその正体は不明です。毛細血管が集まっているとか、神経終末が多いとか、電気抵抗が弱い場所などと言われていますが、前回の「ツボは見えない」でもお伝えしたように、ツボが見えた!という人は未だにいないのです。

私たち鍼灸師はそのツボを刺激して治療をします。たとえ見ることはできなくても、その効果はしっかりと見たり感じたりすることができます。例えば凝っている肩のツボにハリを打ったり、下痢や生理痛時にお腹のツボにお灸をして温めたりすることで症状を緩和させることができます。このような直接的、局所的なツボ刺激の作用はみなさんにもご想像がつくのではないでしょうか。
しかし、ツボの本当にすごいところは、間接的、遠隔的、全体的に作用することにあります。

例えば有名な「足三里(あしさんり)」というツボ。
松尾芭蕉が奥の細道を歩くときに「ももひきの破れをつづり、笠の緒つけ替へて、三里に灸据うる より、松島の月まづ心にかかりて...」と書いているように、健脚のツボとして有名ですが、これは局所的な刺激療法です。足三里は膝の下、前頚骨筋という筋肉の上にあります。鍼灸によって前頚骨筋の代謝が上がると歩行時につまづきにくくなるのです。
足三里
↑膝下、外側、赤いハリを打ってあるところが足三里です!

また、足三里は胃の経絡の上にあるツボです。私たち鍼灸師は足三里を、胃をはじめとする消化器系の調子を整えるために多用します。足三里をハリやお灸で刺激すると、胃液の分泌が活発になり、食後に胃がもたれる、胃が重い、胃が冷たいなどの症状が改善されるのです。

とはいえ、足三里から胃に直接つながっている神経があるわけではありません。足のツボへの刺激が、どうして遠く離れた胃の調子を整えるのでしょうか? 

足三里への刺激を感じるのは脳の感覚野と呼ばれるエリアです。感覚野で受けた刺激は、シナプスを介して脳全体に広がり、その刺激に対してどのような対処をするか瞬時に判断が下されます。そのときに、胃の働きを調整している自律神経にも、なんらかの信号が送られるようになっているのかもしれません。あまりよい例えではありませんが、マンションの201号室の火事が、上階の301号室に飛び火するようなものと考えてみて下さい。足三里と胃は、脳の中ではご近所さんというわけですね。

ツボの間接的、遠隔的な作用は、数千年に及ぶ東洋医学の歴史の中で得られた、膨大な経験に基づく英知であり、神秘なのです

ツボの正体を明かすために、長年、ツボの位置周辺の皮膚組織や神経の研究が続けられてきました。最近では、ツボというのは脳にあるものなのではないか?というの見解が大きくクローズアップされ始めています。心地良いハリの刺激で症状が改善したら、今度はその刺激を思い出すだけで身体に同じような反応が出るというレポートもあります。

鍼灸治療院セラキュアでは、治療の際に局所的な症状緩和のみにとらわれず、このようなツボの働きを考慮に入れた全身治療をしています。私たちの打つハリが、みなさまの心地良い記憶となって、その効果がさらに大きなものとなるように、心をこめて治療させていただきます
テーマ: 健康 -  ジャンル: ヘルス・ダイエット
by Theracua Staff  at 19:52 |  東洋医学よもやま話 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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